クイズ世界はミーバイミーバイ
しんごとゆりの世界旅行。2007年7月31日から2008年12月半ばまでの旅の記録。
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バンコクの悪夢 再び
「ない、ないよー」

ゆりの叫び声と共に長い一日が始まった。どうやらトラベラーズチェックが無いらしい。

え?トラベラーズチェック!?(旅行小切手のこと)

ゆりは折りたたんだアジアの地図の中にそれを隠して、バックの奥にしまっていたんだが、それが無いと言うのだ。チェンマイを出る時には確かにあったらしいのだが。
嫌な予感がした。
今度は自分のバックをあさり、コラートでゲンちゃんと買ったタイのエロ本をひっぱり出した。

「な、ない。トラベラーズチェックがないよ~」

サーっと血の気が引いていくのがわかった。
確かにチェンマイを出る時はあった。この宿か?いや、違う。ツーリストバスだ!きっとそっちの方が確率は高い。
一瞬、僕のエロ本をバックから取り出し、「あったぜ、トラベラーズチェック。こいつエロ本に挟んでやがった。とんだスケベ野郎だぜ」と笑う犯人の顔が浮かんだ。

トラベラーズチェックは、それ自体では使えない。2つサインするとこがあって、事前に1つだけ自分の名前を書いておく。そして銀行や両替屋に行き、その場でもう1つのとこにサインし、同じ筆跡であれば現地通貨と両替できるという仕組みだ。
失くしても再発行が効くのが売りだが、もう紛失して丸1日以上たっており、犯人が使っている可能性が高い。筆跡なんて何とでもなるだろう。その場合は、再発行してもらえるかどうかわからない。2人合わせてちょうど3000ドル。(37万5千円くらい)で、でかい。

パニックになっていた。この感じ、9年前のトランプ詐欺で30万円近く盗られた時に似ている。しかも同じバンコクで。懐かしいなあって、そんな場合じゃない。一体何の因縁だよ。

何はともあれ、まず発行元のアメリカンエキスプレス(アメックス)に連絡しなければならない。番号はわかっていたので、宿からかけるがいっこうに繋がらない。宿の人は「今日土曜だから休みだよ」とか言う。
いや、そんなはずはない。無休で受け付けているはずだ。
だんだんイラついてくるのがわかった。

仕方ないので、とりあえず近くの警察にいった。しかし「うちの管轄ではない。40分ほど行ったツーリストポリスに行きなさい」と言う。
「まず、アメックスに連絡したいから、何とかしてくれ」と貧弱な英語で伝えると、公衆電話でかけろと、タイの営業先の番号を教えてくれた。
何も手伝ってくれねえんだなあ、とブツブツ言いながら電話をかけると、今度は繋がった。しかし、タイ語。その後英語。ブワ~っと英語で話されるも、成す術ナシ。「アイム ジャパニーズ」と言うことしかできない。これで中学生に英語教えてたなんて、恥ずかしくて言えないよ。
訳のわからないやり取りがしばらく続いた後、斉藤さんという日本人の方が出てきた。仏に思えた。

盗られた状況や金額、実家の住所や今の滞在先などいろいろ聞かれた後、しばらく待たされた。
その間、胸のドキドキは収まらず、身体も強張っていた。深いため息が自然と何度も出る。
その後、「これからツーリストポリスに行って、盗難証明書を作ってもらって、その用紙の番号と担当者を教えてほしい」と言われた。
ここで、ようやくずっと聞きたかった質問をした。

「それでなんですが、再発行、してもらえるのでしょうか?」

まさに固唾を呑んで、斉藤さんの次の言葉を待つ。
彼は落ち着いた声で「はい、再発行されます」と言ってくれた。やはり仏だった。
体の力が抜けた。でもやっぱり実際もらうまでは完全には安心は出来ない。

何も食べていなかったので、ちょっとフンパツして「サブウェイ」のサンドイッチを食った。若い日本人の女の子たちが何やら店内ではしゃいでいた。よく見る普通の光景だったけど、今までとは全然違う印象を受けた。それは自分でもよくわからないけど、羨ましかったのかもしれないし、「お気楽だね」という皮肉だったのかもしれない。

ツーリストポリスへはタクシーで行ったが、違うとこで降ろされ、そこで教えてもらったバスに乗ると、全然方向違いだった。ゆりは「もう誰も信じられない」とボソッと言った。タイ人恐怖症に陥ったようだ。(おっうまい!)

何とか着いたツーリストポリスでは日本語を話すタイ人のおばちゃんが対応してくれた。最初に「何でそんな貴重なものをバックにしまっておいたの」と怒られた。
まったくその通りなのだ。非は僕らにあった。パスポートや現金は、いつも腰巻に入れて身につけているんだけど、トラベラーズチェックはかさばるという理由で入れてなかった。再発行効くだろうという甘えがあった。

僕が報告書を書いている時、ゆりはツーリストバス関連の犯罪者リストを見せられていた。9年前も、同じようにトランプ詐欺の犯人の写真見せられたなあ、見つかんなかったけど、と思い出していたら、ゆりが叫んだ。

「この人、この人です」

口ひげが生えている男がいた。僕も見覚えがあった。あいつか、くさ毛布を持ってきた野郎だ!
おばちゃんが「こいつは有名な悪徳運転手で、最近もこいつにやられた人がいたよ」と教えてくれた。
教訓を学んだ。くさ毛布を持ってくるバスには気をつけろ。

ツーリストポリスでは、日本の「TVチャンピオン」が流れていて、折り紙選手権が放送されていた。みんな作品が出来るたびに「おお~」と歓声をあげていたので、じゃあ、僕が鶴を見せてやろうと思い、作ろうとしたけど、作れなかった。

最後におばちゃんが「声をかけてくる人にはついていっちゃダメだよ。そこでブラックジャックを教えられ、金を賭けさせられて、騙し取る詐欺がよくあるの」と注意してくれた。なので「僕、9年前にそれで30万近く盗られました」と言うと、「まあ、本当?でも、まだかわいいものね。最近30過ぎの日本人が、同じ詐欺で400万バーツ盗られてたわよ」と教えてくれた。
400万バーツ(1400万円くらい)。たぶん僕の聞き間違いか、おばちゃんの勘違いだと思う。だけど、事実だったらとんでもないことだ。

またバスに乗って宿にもどり、アメックスに電話し、盗難証明書の番号と担当者の名前を告げた。最後にもう一度「再発行するんですよね?」と聞くと「3000ドル再発行することになっています」と言われ、ホッとした。もう辺りは暗くなり始めていた。
ゆりが「勝因は、しんごのくねくねの字のおかげじゃない?」と言った。
IMG_0030copy.jpg




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この記事に対するコメント
ひえー!!
現金じゃなくてホントよかったですね!!
盗まれたと発覚した後のあの喪失感、わかります。私がケータイをやられたときですら、凹んだのに、TCとか換金性の高いものだとなおさらでしょう・・・。そりゃ、タイ人恐怖症にもなっちゃいますね。でも、再発行されるようでほんとよかったです。きっと、これで旅のスキルはあがってるはずですよ!w
【2007/09/09 12:17】 URL | いと #- [ 編集]

なにはともあれ…
よかったねえ!!汗
>>「あったぜ、トラベラーズチェック。こいつエロ本に挟んでやがった。とんだスケベ野郎だぜ」と笑う犯人の顔が浮かんだ。
撮られた悔しさももちろんだけど、これもまた一段と悔しいね。。
ちゃんと戻ってくるまでは落ち着かないだろうけど、
これからも気を引き締めて楽しい旅を。
コラートから旅の安全を祈ってます。
【2007/09/09 14:01】 URL | くーるー #- [ 編集]


いとへ
ほんと、現金じゃなくてよかった。でもまだドキドキしているよ。ちゃんと返ってくるんだろうかと。旅のスキル上がったかなあ。テンションはめっちゃ下がったけどね。

くーるーへ
そうそう、ゲンちゃんとの素敵な思い出が汚されたようだったよ。でもエロ本が無事でよかった。
ほんと気が緩んでいたんだよね。自分でも、まだ旅モードに入ってないなって感じてたんだよ。旅行って感じ。
タイ最後の日だったのにねえ。まだいろってことかな。
【2007/09/09 14:40】 URL | しんご #- [ 編集]


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