クイズ世界はミーバイミーバイ
しんごとゆりの世界旅行。2007年7月31日から2008年12月半ばまでの旅の記録。
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スリコの家のスリコさん
メスティアを発ち、クタイシというグルジア第2の都市にやってきた。ここを訪れた理由は、観光名所などではなく、「スリコの家」に泊まることだった。この「スリコの家」は、何だか知らないが、やけに情報ノート(日本人宿に置かれていて、旅人が様々な情報を書き残しているたいへん役に立つノート)で評判が良かったので、「それならいっちょスリコとやらに会いに行こうか」ということになったのだ。

メスティアから6時間マルシュルートカ(乗り合いワゴン)に揺られ、昼過ぎに「スリコの家」に到着した。おじいちゃんが「よーきた、よーきた」と迎えてくれた。彼がスリコさんらしい。とても人が良さそうだ。上品な感じの奥さんはメディコさん。あと、夏休みかなにかで、孫のタートとクリスティーナが遊びに来ていた。
「昼ごはんは?」とメディコさんが聞いてきたので、「もう食べました」と答えたんだけど、数分後にはパンとベーコンと目玉焼きと自家製ワインが用意されていた。
「あれー、通じなかったのかな?」と思ったんだけど、せっかく用意してくれたのでありがたくいただくことにした。食事をしながら昔の写真を見せてくれたんだけど、スリコはえらく男前だった。服飾の仕事をしていたようだ。すごい美人の写真があったので、「これは誰か?」と聞いてみると、彼らの娘、タートとクリスティーナのお母さんだった。話を聞くと、なんと娘さんは14歳の時に結婚したらしい。しかも、よくわからないんだけど、学校帰りに道を歩いていると、今の旦那さんが「おっすげえ美人の娘だな」と思い、家に連れて帰ってしまったんだって。それで結婚しなければならなかったとか。う~ん、このへんの事情が、片言のメディコの英語と僕らの理解能力ではよくわからないんだけど、なんだかメディコは誘拐されたような感じのことを言っていて、「そのころはずっとエンエン泣いていたの」と泣きまねをしてくれた。僕が理解したところでは、きっとソ連時代は、「誘拐した娘は嫁にしてもよい」という法律があったんだろう。
「じゃあ、今娘さん何歳?」と聞くと「30歳」とメディコは言った。う~ん、僕らと変わらない。それで13歳のタートと10歳のクリスティーナがいるのかあ。すげえな。

僕らは長時間マルシュルートカに揺られて少し疲れていたので、その後部屋で昼寝をしたりしてのんびりすごした。

6時ごろから夕食。テーブルにはたくさんの料理が並べられていた。僕らの他に、イスラエル人のカップルとメスティアでも一緒だった前田さんが泊まっていて、スリコ・メディコとクリスティーナで夕食を囲んだ。タートはどうやらシャイボーイらしく、一緒には食べなかった。
料理はどれもおいしく、特にオーストリと呼ばれる肉入りスープがうまかった。
「うめえ、うめえ」と食べまくっていると、スリコは棚から何かのツノを取り出してきた。それはどうやらコップとして使っているみたいで、ワインをそれにナミナミと注いで僕らに渡してきた。そして、「立ちたまえ、諸君!」と言うと、僕らの腕をクロスさせ、「さあ、飲みたまえ、諸君!」とワインをイッキさせられた。イッキをしたのがわかると、スリコはすごく満足そうで、「ヤー!」とガッツポーズをしたあと、ブチュッブチュッとホッペにキスをしてきた。これはグルジアの挨拶で、みんなやっているんだけど、あまり男にされてもうれしくない。というか勘弁してほしい。中国、インドで一緒だったイギリス人のアシュリーがしてくれたときはたいへんうれしかったんだけどなあ。

スリコの勢いは止まらなかった。。何回もクロスでイッキしたり、少し大きめのビンにワインを注いで、「さあ、みんなでこれを飲み干そう」と言ってまわしてくる。まるで大学生の飲み会である。こういうのは案外嫌いじゃない僕は調子に乗ってワインをガブガブ飲んだ。
スリコもだいぶ酔ったみたいだったが、まだまだスリコ劇場は終わらなかった。ハンカチを床に置いて、それを足を広げて腰を曲げ、口でつまみあげるという芸を見せてくれた。実はスリコがこの芸をしている写真が何枚もあり、酔っている僕は「出ました!写真と一緒!」とえらく興奮していた。どうやら、客が来るたびこれをしているらしい。おもろいなあ。
一見たいしたことのない芸なんだけど、実際やってみると難しく、前田さんは全然ハンカチに口が届かなかった。昔の僕なら絶対できなかっただろうけど、ヨガマスターになってしまった僕は、やけに足が広がり、ひょいとハンカチを口でくわえることに成功した。するとスリコは「ブラボー!」と言ってまたブチュッブチュッとキスの嵐。勘弁してえ~。
スリコはその後も、ハンカチをワイン入りのビンに替えて口で持ち上げたり、音楽に合わせて踊ったりしていた。時々、メディコに「う~ん、キッス」という感じで顔を寄せては、断られていた。
いやあ、スリコ、最高!おもろすぎ!この夜、僕はめちゃめちゃ楽しかった。

翌朝目覚めると、やっぱりというか2日酔いで頭が痛かった。
「やべえ、飲みすぎたな」と思っているとすぐに朝食が始まった。あんだけ飲んでいたスリコは朝から無意味にガッツポーズをしてめちゃ元気。当然のようにワインを注いでくる。あんたワインは水じゃないんだよ。
さらに「わしが作ったんだ」というチャチャも出してきた。このチャチャは甘い蒸留酒で、ウォッカのようにかなり強い酒だった。それをまたイッキさせられる。そしてブチュブチュ。もう勘弁してください。

イスラエルの2人と前田さんはこの日出発した。彼らを見送った後、一応クタイシ観光に出かけた僕らだったけど、なんだかずいぶん体が重くてしんどかった。おまけに雨も降ってきて、「早く休みたい」とばかり思っていた。

夕方家に帰るとすぐに夕食が始まった。スリコは僕の頭をさわり、「ああ、雨に濡れてしまったね。風邪予防には酒が一番さ」と言って、またチャチャを一緒にイッキ。そして再び宴が始まった。
昼間少し歩いたせいか、だいぶアルコールが抜けた僕はまた意外と飲めた。スリコも相変わらずで、ツノのコップに酒を入れては腕をクロスしてイッキ。そしてブチュブチュ。そしてガッツボーズ。そして踊る。このじいさんには限界というものがないのか。そしてやっぱりお決りのハンカチ芸もやっていた。

途中でスリコの友達がやってきたんだけど、彼は来た時点でもうかなり酔っ払っていて、僕にしつこく絡んできた。悪い人ではないんだけどね。やっぱりそのおっちゃんにもイッキをさせられたんだけど、彼は少し目がすわっていて怖かった。
スリコは「もういいかげんにしろ!」と友達に説教をしたあと、いつものようにガッツポーズをして、「イエーイ、そろそろ家に帰ろうか」と笑顔で友達を気遣い、ちゃんと彼を家まで送り届けていた。スリコはおもろいだけじゃないんだなあ。

帰ってきた後は夜遅くまで、メディコやクリスティーナ、そしてこの日はタートも一緒に踊りまくった。

出発の朝もやはりチャチャとワインを飲み、お腹いっぱいメディコの料理を食べた。それでもスリコはまだ足りないと思ったのか、1,5リットルのペットボトルにワインを入れてくれ、お土産として持たせてくれた。

今までいろんな宿に泊まったけど、こんなに持て成してくれたところはなかったなあ。最高で最強の宿「スリコの家」。でも、飲めない人にはきつい宿だろうなあ。

メディコさん、おいしい料理をありがとう。
スリコ、めちゃくちゃおもろかったです。私もあなたのようなファンキーなじじいになりたい。

こうして、朝からフラフラしながら、食いに食い、飲みに飲みまくったクタイシを後にしたのだった。

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ハンカチ芸をするスリコ
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イッキするスリコ
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ガッツポーズするスリコ
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キスをするスリコ
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キスをせまるスリコ
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ギターを弾くスリコ
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ウクレレも弾くスリコ

これクリックするとスリコになるよ。


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めっさええ景色
ここしばらくネットカフェのない田舎ばかりにいて更新できなかったので、今日はまとめて書いちゃおっと。

☆カズベキへ
まず、首都トビリシから3時間ほどいったカズベキという町へ行った。このトビリシからカズベキへ行く道は「グルジア軍道」と呼ばれており、えらくええ景色で、軍道そのものが見所らしい。(本当は大カフカス山脈を越えて、ロシア連邦の一部である北オセアチア・アラニア共和国の首都ウラジカフカスまでつながっているけど、現在第3国の外国人は国境を越えられない。)
そんなわけで、「ええ景色楽しみやねえ」とウキウキワクワクしてマルシュルートカ(乗り合いワゴン)に乗ったけど、ちょうど真ん中の席しか空いてなくて、外がほとんど見れなかった。がびーん。
まあ、帰りに見れたからいいんだけどね。景色は緑の野を越え山を越えで、なかなかよかったよ。よかったよかった。
おもしろかったのは、いや、おもしろくはないけど、途中教会や十字架が建っているとこを通るたびに、グルジア人たちはそっちを向いて、頭から胸あたりで十字を切っていた。その後、町で見かけたチャラチャラした若者なんかもちゃんと教会の前では十字を切っていて、信仰深い国なんだなと思った。(グルジアはグルジア正教ってのを信仰しているようです)

カズベキはカズベキ山やその他の山々に囲まれた小さなステキ町だった。何よりステキだったのは、宿泊した「ヌヌの家」の娘さんがかわいかったことだった。ゆりに言わせると「大草原の小さな家」の主人公みたいらしい。僕は「大草原」を観たことないのでよくわからないけど、まあそんな感じなのだ。元気で明るく、雰囲気がとてもよかった。前髪が揃っているけど、それがまたかわいい。僕はさっそくウクレレを持ってきて、彼女の前で歌った。それはもう恋の始まりだった。

カズベキではロシアとの国境まで歩いたり、丘の上の教会に登ったりして過ごした。
教会では遠足で来ていた高校生の一行と少し交流があった。知っているおぼつかない英語で一所懸命話しかけてくれて、なんかうれしかった。
「グルジアはどうですか?」「グルジアは好きか?」とみんな、自国をどう思っているか聞いてくる。
「もちろん、最高だよ。」と答えると、「そうだろ、グルジアは最高だよ。」ととってもうれしそう。なんだか自分の国が好きで誇りを持っているというのが伝わってきた。
「グルジアはどこに行った?」
「まだ、トビリシとここだけ」
「なら、メスティアがいいよ」
その他の子も「うん、メスティアはいいよ」「メスティアに行きなよ」と同意している。これも何かの縁なので、次はメスティアというところに行ってみようかな。
「バイバーイ」と言って一行が去った後、1人の女の子がわざわざ戻ってきて、「I’m glad to see you」と言いに来てくれた。これには涙がちょちょぎれたよ。もちろん「Me,too」と答えた。

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グルジア軍道
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ヌヌさんの娘と孫
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カズベキ山 その左に見えるのが登った教会 ええ景色やったよ
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教会から観たカズベキの町
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私たち16歳なの


☆メスティアへ
いったんトビリシに戻り、夜行列車に乗り、それからまたマルシュルートカ(乗り合いワゴン)に乗ってメスティアに向かった。
このマルシュルートカに乗っていた人たちが大変だった。出発は早朝6時半だったのにもかかわらず、すでにどっからかビールを買ってきて飲んでいる。おそらく僕らと同じく夜行列車に一晩揺られて、目覚めたばかりなので、ちょっとびびった。しかもこれから長時間マルシュに乗るというのに。
1時間ほど走ると朝食休憩になった。そこでもまたおっちゃんたちはウォッカで乾杯している。1人のおじいちゃんがメシをご馳走してくれたんだけど、やっぱりそれにはウォッカもセットで、朝から40°のやつをクイックイッと飲まされて酔っ払ってしまった。ただの朝食休憩なのに、おっちゃんたちはもう宴会モードで、なかなか出発できなかった。
やっと出発して1時間ほど走ると、またマルシュルートカが停まった。「何だ?」と思っていると、「グッドネイチャー」とおっちゃんが言って、外に出て行った。そして森の中でまた宴会が始まった。ある人は、荷台からガソリンタンクにいっぱい入ったワインを持ってきて、みんなに振舞っていた。みんながぶがぶと飲んでいる。
女性たちはその中には加わらず、少し離れたところから退屈そうに彼らを見ていた。「まだかなあ。」と言った感じで。でも、誰一人文句を言わず、急かしもしないとこを見ると、こうやって飲むのが当たり前なのかもしれない。それにしても朝から飲みすぎ。
ようやく出発したマルシュルートカはまた10分もすると停まった。「えー、今度はなんだよ」と思っていると。「ミネラルウォーター」とおっちゃんが言って、ペットボトルを持って水を汲みに行った。もう完全に遠足状態である。
そんなわけでメスティアに着いたのは、予定より2時間も遅れてのことだった。

メスティアも山に囲まれた渓谷地帯にあるステキな町だった。このあたりはスワネティ地方というらしく、地元の人からは「スワネティは好きか?」とたびたび聞かれた。スワネティとは「スワンの地」という意味らしく、スワン語を話すスワン人が住んでるんだって。彼らはグルジア正教を信仰して、読み書きもグルジア語を用いているから、グルジア文化圏ではあるんだけど、やっぱり周りから隔たれた山岳地帯に住んでいることもあり、独自の文化を保っているんだとか。
メスティアには石を積み上げて造った塔のような家がたくさんあり、雪山とそれらが重なるとかなりかっこよく見えた。
なんでわざわざそげん高くした家を造るんだろうと思っていたけど、どうやら彼らの山岳民としての「独立不羈(どくりつふき)と尚武の気風の強さ」が関係しているらしい。

スワン人に限らず、カフカスの山岳民族の間では「血の報復」という習慣が存在した。いや、「存在する」と言ったほうがよいだろう。これは、身内の内の誰かが侮辱されたり危害を加えられた場合、被害者側は一族を挙げてその加害者に報復する義務を負うというもの。多くは土地や家畜を代償に引き渡すことで解決されたが、時には村同士の全面戦争に発展することもあった。塔状の家は、そうした外敵が攻めてきた際、家畜などといっしょに長期間立てこもれるような作りになっている。高さは10~12mほどだ。(旅行人ノート『シルクロード』より)

う~ん、「血の報復」かあ。なんだかかっこいいなあ。とりあえずこの辺の人とはケンカしないようしよっと。

町の広場にはたくさんの老人が、のんびりおしゃべりなどしていた。みんな白いヒゲを生やし、いいシワをしてなんとも味がある顔をしている。なんでもグルジアは長寿の国らしい。長生きはそりゃいろんな要素があってのことなんだろうけど、それに一役買っているのがヨーグルトと言われているそうな。グルジア語では「マツオニ」と言うんだけど、けっこうみんな食べてるんだって。数年前日本で「カスピ海ヨーグルト」が流行ったことがあったけど、あれはグルジアから来たと言われてたんだって。流行に敏感な僕も一時期カスピ海ヨーグルトを作っていたので、密かにグルジアでマツオニを食べるのを楽しみにしていたのだ。
メスティアの宿は「ゾイヤの家」に朝夕食付きで泊まっていたんだけど、ついに晩飯の時に自家製のマツオニが出た。しかし、どうもカスピ海ヨーグルト独特のプラスチック感がない。食べてみるとたいへんおいしかったんだけど、どちらかというと日本でよく売られている「ブルガリアヨーグルト」のプレーンと似ていた。
一緒に泊まっていた旅人が言うには「カスピ海ヨーグルトはグルジアから来たというのは間違いみたいですね。あるグルジア人が日本でカスピ海ヨーグルトを食べたところ、「これは私の国にマツオニとは全然違う」と言って、間違いが発覚したそうですよ。本当はロシアのどこかから来たみたいです。」
う~ん、ウソだったのか。よく考えるとグルジアには黒海はあってもカスピ海はないのだ。どこでどうなって「グルジアからきた」となったんだろうか。関係ないけど、日本で活躍しているグルジア出身力士の「黒海」は、みんなけっこう知っていたよ。

メスティアではいくつかの村を訪れたりして過ごした。最終日には近くの山へ6時間のトレッキングに出かけた。頂上近くになると雨が降ってきて困ったけど、たまたま山小屋みたいなのがあり、雨宿りできた。よく映画とかで雨に降られて山小屋に駆け込み、暖炉に火を焚いて温まるシーンがあるけど、僕は「そんなうまいこといかないだろ」とよく思って観てたのだ。しかし、やっぱり山で雨に降られると山小屋が現れることは事実だったのだ。今まで疑ってごめん。
頂上では(ほんとはもっと高く登れたみたい)牛さんが草をむしゃむしゃ食べており、周りは180°雪山が見渡せて、めっさええ景色やった。
「いやあ、グルジア美しい国じゃないか」と、これにはちょっとばかり感動してしまった。

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これクリックすると「血の報復」になるよ。


グルジア到着で2連敗!?
緑の美しい国境だった。難なくイミグレを通過し、僕らはこの旅11カ国目となるグルジアに入国した。
国境からヒッチと乗り合いワゴンを乗り継ぎ2時間、グルジアの首都トビリシに到着した。

トビリシはアルメニアをもっと都会にした感じで、駅前のバザールには人々がごった返し、活気にあふれていた。女の子はあいかわらずかわいく、胸が大きかった。そして、アルメニアと違い、男子もイケメンが増えた気がした。お洒落だったし、前髪が揃ってたりといったおかしな髪型をしてる奴も少なかった。

さて、グルジアは英語では「ジョージア」というらしい。ジョージアといえば「明日があるコーヒー」だけど、グルジアはワインの発祥の地といわれているみたい。ワインの量り売りをしている店もちょくちょく見かけた。
さっそく僕らはある1軒の店に入ってみた。でかいビンに赤ワインやロゼがナミナミと入っている。試飲させてくれるんだけど、それがコップにいっぱいくれるものだから、3杯も飲むとかなりいい気分になってしまった。味はそれぞれけっこう違っていたけど、どれがいいとかはよくわからん。とりあえず甘くて飲みやすい赤ワインを買うことにした。500mlのペットボトルにいっぱい入れてくれて1ラリ。(75円)うーん、安いなあ。僕は子どもの時から「ヨーロッパという国はね、水よりワインの方が安いのよ」とあちこちで言われて育ってきたので、ようやくそういう国へ来て、なんとなくうれしかった。ちなみに、水は1,5リットルで1ラリなので、まだ水の方が安いんだけどね。
買ったワインを店内でさっそく飲み始めた。細くて長身の兄ちゃんが、チーズやら果物やらをつぎつぎと運んできてくれる。兄ちゃんは「やっぱロックだよな」と言い出しそうな雰囲気で、「金なんていらねえ。楽しんでくれよ。」とたぶん言って軽くウインクしてくれる。足どりがフラフラでかなり酔っているようだ。よく見ると店内は昼間なのに酔っ払いだらけだった。客はもちろん、店番をしているおっちゃんも酔いつぶれて寝てしまっている。仕事しようよ。
結局僕らもペットボトルのワインを飲み干し、かなり酔っ払った。払ったお金はワイン代の1ラリだけ。これでつまみも食い放題だから、かなり安い飲み屋である。よくしてくれた長身の兄ちゃんに1ラリチップを払った。兄ちゃんは「また来いよ」とウインクしてくれた。

トビリシの宿は「ネリ・ダリの家」。ネリばあさんとダリおばさんがやっているバックパッカーに人気の民宿。すごく感じがいいんだけど、ドミしかなく1ベッド13ラリ(980円)とけっこうお高い。トイレ兼シャワールームが1つしかないので、誰かがシャワーを浴びている時はおしっこができないで困る。ネリダリさんの家族もみんな使うので、運が悪けりゃ膀胱が破裂してしまう。そんなわけで、シャワーを浴びるのも少し気を使うのだけど、なんでもトビリシにはハマムと呼ばれる公衆浴場がたくさんあるらしい。中国で温泉に行って以来、かれこれ半年間湯船に使っていなかったので、僕らは「いい湯だな アハハン」と歌いつつ、ハマムへ出かけた。

ハマムにはシャワーが10こほどあり、湯船が1つあった。だけど誰も入っていない。僕はさっそく体を洗って入ってみたけど、湯船は予想以上に深かった。直立してちょうど首のところまで湯につかった。湯は確かに気持ちよかったけど、ずっと立ってないといけないのはあまりよろしくなかった。やっぱりどっぷりと腰を下ろして、足を伸ばし、「プハー、ええ湯やね」と言いたいのだけど、どうもそのへんのとこがグルジア人はわかってないらしい。結局ほとんど湯船に入る人はなかった。
立ち湯しながら僕はハマムにいる人々を観察した。若者、おっさん、じいちゃんが10数名。やっぱり見るのはあそこになっちゃう(これはもうしょうがない)のだけど、やっぱりというか、でかかった。女性のおっぱいがでかくてびっくりしたけど、男のイチモツもでかかった。僕はジャパニーズランキングでもライト級なので、このグルジア人たちと比べてしまうと、フランクフルトとポークビッツほどの違いがあった。完膚なきまでの敗北。フランクフルトたちはホットドックになるのを夢みて、そこらへんをフラフラしていた。

ハマムにはサウナがついていた。彼らのハマムに来る目的もサウナのようだ。僕も入ってみたけど、恐ろしく熱かった。僕は3段あるうちの一番上に座ったんだけど、もう熱くて熱くて、すぐにポークビッツが煮あがった。こんなに熱いサウナは初めてだ。
そんな中でグルジア人のおっさんたちは悠然と座って汗をかいている。ある1人のおっさんはまだ物足りないらしく、タオルで熱いのを焚いているとこを扇ぎだした。また一段と温度が上がった。これはたまらない。僕は慌てて外に出た。

僕はサウナの外でうな垂れた。イチモツで負けて、サウナでも負けた。これは肉体と精神の敗北だった。
僕はなんのためにこの長いペナントレースを戦ってきたのだ。このままでは一生負け犬のまま、お天道様に隠れて生きてゆかないといけない。そんなのは嫌だ。
「グルジア人、もっかい勝負じゃ!」

僕は水風呂につかり、体を冷やしてから、もう一度サウナに入った。今度は1番下の段に座った。するとどうしたことか、さきほどよりも熱くなかった。どうやら熱いのは上にいくらしい。これは大発見だ。ということは、おっさんたちズルしていたのか。ずっこいなあ。
今回も数人の男たちが座っていた。「もう、ズルはなしだぜ。」僕は熱さに耐えて座り続けた。体から汗が噴き出す。おっさんたちは1人、また1人と耐え切れなくて出て行った。
若い兄ちゃんが1人入ってきた。
「よし、お前は後から来たけど、それはハンデだ。今から勝負してやろう。」
僕はこの兄ちゃんとの勝負に、これからの人生を賭けた。もう、だいぶ体が熱くなっていた。髪の毛なんかはめちゃくちゃ熱かった。たぶん体の50%くらいの水分が失われたであろう。しかし、僕は逃げ出すわけにはいかなかった。
兄ちゃんもしぶとかく、なかなか音を上げない。
「やろー、なかなかやるな」と思っていると、兄ちゃんが話しかけてきた。「上にいきなよ。」と一番上の段を指差す。お、お前、熱いのが上にいくことを知ってやがるな。で、できる。
「望むところだ。」僕は一番上に上がった。やはり1段目とは比べられないほど熱かった。兄ちゃんは追い討ちをかけるように、熱いのを焚いているとこをタオルで扇ぐ。スノコにつけているお尻と足の裏がめちゃくちゃ熱い。「アッチッチ」という感じだ。「うーん、もうダメかも」と弱音を吐きそうになるが、、兄ちゃんのフランクフルトを見ると、逃げ出すわけにはいかなかった。
体の水分が70%失ったあたりで、兄ちゃんがついに外に出た。
「か、勝った!」
僕もふらつきながらすぐ外に出て、水風呂につかった。そしてふと思った。
「サウナって、健康にいいのかな?」

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ただいまグルジア入国中
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これハマム
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これヒンカリ
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